最近よく耳にするようになってきたリストラに関するニュースだが、令和になってリストラの波が加速してきた気がするのは私だけではないだろう。
実際、2019年は多くの企業がリストラを敢行した。それもほとんどが40歳もしくは45歳以上を対象としており、完全に40代以上をターゲットにしたリストラが目立った。
2019年はこのようなリストラによる退職者は6年振りに10,000人を超えており、今となってはもはや40代や50代であれば誰もがその対象になる可能性があると言っていいだろう。
今回はそんなリストラにスポットを当ててみた。
参考までに昨年発表されたリストラの一例を見てみよう。
対象 | 人数 | |
アルペン | 45歳以上 | 300 |
コカ・コーラ | 45歳以上 | 700 |
富士通 | 45歳以上 | 2,850 |
サンデン | 40歳以上 | 200 |
オンキョー | 40歳以上 | 100 |
ファミリーマート | 40歳以上 | 800 |
オンワード | 40歳以上 | 350 |
損保ジャパン | 設定なし | 4,000 |
※損保ジャパンは介護職への配置転換となる。
ざっと調べてみただけでこれだけある。ちゃんと調べればもっとあるが、あまりの多さに気分が滅入ってきたので止めておいた。同じ40代として心が痛む。
これらのリストラの中でも特に衝撃的だったのは損保ジャパンが発表した「4,000人の介護職などへの配置転換」ではないだろうか。
本来であればリストラ対象者が4,000人ともなれば、ある程度の退職金を上乗せすることを条件に希望退職者を募って人員を削減するのが一般的となるはず。
しかし損保ジャパンは社員を大事にする男気溢れるホワイト企業なのだろう。
希望退職は募集しない代わりに「対象者は問答無用で全員介護職などへ配置転換」という粋な計らいで社員の雇用を全力で守ろうとした。
ITを活用したことで、余った人材を強制的に人手不足の介護業界へ配置転換させる。
今回の手法はまさにリストラの本来の意味である「再構築」に相応しい取り組みと言っていいだろう。
平均で約250万円という大幅な年収ダウンとなるが介護での仕事を用意してくれた会社の「涙なしでは語れないその優しさと企業努力」に全米が泣いた。
しかし介護職への配置転換を受け入れれば年収は250万円のダウン、受け入れずに退職すれば自己都合となるので退職金の上乗せはもらえない。
そんな状況に置かれた対象者はそれ以上に泣いたに違いない。
また、2019年から黒字リストラなるものも流行りだした。
黒字で潤沢な資金があるうちに退職金を上乗せして人員整理を行っておくという新たなリストラ策である。もちろん対象者は40代以上となる。
これにより景気が良くても安心できない世の中になってしまった。
不景気でも好景気でもいつの時代も真っ先にリストラ対象とされる幸薄き40代にとって明日は我が身のリストラだが基本的にはいつ宣告されるか分からない。
誰だってリストラ宣告は避けたいだろう。特に再就職が厳しい40代以上であればなお更そう思うはず。
そこで「40代が取り組むべきリストラ回避策」を考えてみた。
しかし残念ながらこれと言った有効な手段が思い浮かばない。
そのため「40代が取り組むべきリストラ回避策」ではなく「40代が取り組んだらもしかしたら少しはリストラ回避の確立が上がるかもしれない」くらいのレベルで再度考えてみた。
- 社内でのnumber oneまたはonly oneになる。
そのままである。
社内で1番の売上を上げたり、自分にしかできない市場価値の高い仕事を受け持つなど会社から必要とされる人材となる。とにかく会社に貢献する。
言うのは簡単だが実際はなかなか難しいだろう。 - 社内で程よい人間関係を構築しておく。
同僚に対してとなる。
依頼された仕事は素直に応じたり、聞かれたことは丁寧に答えたり相談に乗るなど普段から周囲と円滑なコミュニケーションを図り、この人とであれば仕事がしやすいと思わせることが大事である。
やりすぎると便利屋的な扱いとなっていいように使われるだけの可能性も出てくるので注意が必要となる。
ストレスで禿げない程度に受けよう。 - ゴマをする。
上席者に対してである。
中小企業であれば社長や役員、大企業であれば部長や課長クラスとなるだろうか。
Yesマンとして絶対服従を誓い「言われたことは何でもやります」の精神で仕事をしてみるのも一つの手段かもしれない。
周りからは白い目で見られても気にしない強い精神力が必要。
以上、もしかしたらリストラが回避できるかもしれない策として思い付きで3点あげてみた。
しかし今の時代、このような対策を取っていたとしてもリストラされるときはされてしまうものである。
ではどうしたらいいか?
リストラされることを前提に、いつリストラされてもいいように前もって準備をしておく。
これしかない。
具体的に見てみよう。
- 転職活動の準備をしておく。
履歴書はそうでもないが職務経歴書の作成には多くの時間を必要とする。
リストラされてから準備していては遅い。予め作成しておき最低でも3カ月に1回は内容を確認し、必要であれば更新しておこう。
また、事前に調べておいて登録するべき転職サイトと転職エージェントを決めておくことも必要だろう。何なら前もって登録しておいてもいい。むしろ登録しておくべきかもしれない。 - 資格を取得しておく。
前回の投稿記事「40代の転職に有利なお勧め資格5選」でも書いたが40代がこれから取得しても転職に有利になる資格はあるはず。
こちらもリストラされてから勉強を始めたのでは遅い。資格というのは取得して初めて意味を持ちアピールすることが出来る。人によって取得するべき資格は異なるが今のうちに取得して履歴書に書けるようにしておくことを勧める。
面接においての「資格取得に向けて勉強中です」と言うのは何のアピールにはならないので勘違いしてはいけない。 - 副業を始める。
会社の規定にもよるが、副業OKの会社であればお勧めする。
副業と言っても多種多様あってどれを始めていいのか、どれを始めるべきなのかわからないかもしれない。
以下、代表的な副業を書いてみよう。
・ブログ
・アフィリエイト
・youtuber
・転売
・せどり
・株取引やFX
・不動産投資
・民泊
これら以外にもいろいろある。自分ができそうな副業を探してみよう。
サラリーマンとして働きながら副業である程度の収入を得ることができれば、たとえリストラされても経済的な損失を抑えることができる。
もちろんこれらの副業を始めても簡単に収益を上げられるわけではない。しかし、意外な才能を発揮して本業をも超える収入を得られる可能性もある。かもしれない。
なお、投資に関しては下手すれば損失が出ることもあるので慎重に選ぼう。
投資は自己責任です。 - 独立する。
独立できるスキルと人脈と資金があれば考える余地は十分あるだろう。また、フランチャイズオーナーなど企業の力を借りて独立する方法もある。
これらも事前に現実的かどうかよく調べておく必要がある。
このように何かしら手立てを講じておくことで早めに次のステップへと動くことが出来る。
ぜひ取り組んでおこう。
では、もし実際に会社が人員削減を始めたらどうすればいいだろうか?
下記まとめてみた。
・希望退職
手を挙げないほうが無難。というか挙げてはいけない。
目先の割増退職金に釣られて応じないようにしよう。
また「転職支援あり」とか言ってくるケースもあるが提携している転職エージェントに丸投げされるだけなので意味がない。
ここはジッと我慢しながら裏でこっそり転職活動を始めておこう。
・退職勧奨
このレベルであればまだ拒否できるので徹底的に拒否することを勧める。
待遇が下がっても閑職に追いやられてもとことん拒否しよう。
そうは言ってもいずれリストラされる可能性は高い。それまでの間に転職活動を始めておく必要はある。
・名指しでのリストラ
ここまで来たら諦めた方がいいかもしれない。
あとはどこまで割増し退職金の上乗せができるか会社と交渉しよう。
また、即日の退職でなければ1日でも長く会社にいられるよう組合や労働基準監督署に相談するなど何かと理由を付けて時間稼ぎをしてみたほうがいい。そしてその間に全力で転職活動をすることを勧める。
もしこのような状況に陥ったら仕事は適当にして自分の利益最優先で行動してかまわないだろう。リストラしてくる会社の事なんて正直どうでもいい。
最後に
昨今のコロナウィルス騒動や先行き不透明な東京オリンピックなど、これから景気が悪くなる事が予想される今だからこそ準備を進めておく必要がある。
2020年は間違いなく今まで以上にリストラを行う企業が増えるだろう。リストラで職を失う人が多ければ多いほど転職は難しくなる。
まずはリストラされないことが大事だが、個人ではどうすることもできない部分もある。万が一リストラ対象となってしまうことも想定して今のうちに自分ができることはやっておこう。