事前に把握しておこう【退職するまでの手順】

40代に限ったことではないが、今回は退職するまでの手順について書いてみよう。
初めて転職する人の中には「退職手続きって具体的に何をどうすればいいかよくわからない」という人もいるかもしれない。
そんな方々がなんとなくでも理解できるようになればと思う。

1. 退職の意思表示

まずは会社に退職する意思表示をしなければならない。思い浮かぶ方法は「書面」「メール」「口頭」の3種類だろうか。
今は「退職代行」なるサービスも存在するが利用したことないので割愛する。

ブラック企業でなければ基本的にまずは直属の上司に口頭で伝えるのが一般的だろう。退職手続きに入るにあたり、そこからは会社によって対応が異なる。
・独自の書類を提出させる
・退職届を提出させる
・システムで手続きさせる
・何も提出しないまま手続きが進む 

主に上記4パターンとなると思う。
この辺はその時になれば人事から説明があるので先走って事前に上司や人事に相談したりしてはいけない。会社にバレてしまう。


会社がブラック体質の場合は普通に退職を申し出ても下記のようにちょっと面倒になる可能性があるかもしれない。

昇給や昇格をチラつかせて慰留される
もし退職を取り止めてもいいと思えるほどの好条件なら残ってもいいかもしれないが、必ず事前に書面にしてもらおう。本当に昇給・昇格があるのかどうかなんてわからない。後々言った言わないのトラブルになる可能性がある。

ただし、もし残ったとしても今後は社内でぞんざいに扱われるかもしれない。個人的には一度退職を申し出たらやはりそのまま退職したほうがいいのではないかと思う。

延期を打診される
「後任が見つかるまで」とか「プロジェクトが完了するまで」とかいろいろ理由を付けて無駄に退職日を引き延ばそうとしてくる。受けられるなら受けてもいいが自身のスケジュールを優先させよう。

脅迫まがいの行為
都市伝説かもしれないが退職を申し出ると「自分で後任を探して来るまでは退職を認めない」とか「損害賠償を請求する」とか言ってくる会社もあるとかないとか。
すべて無視でいい。むしろ目の前で録音(可能であれば動画撮影)でもしてその証拠をもって労働基準監督署へ行こう。

 

なお、退職を申し出る際に提出する書類だが「退職願」と「退職届」と「辞表」は一見似ているがそれぞれ意味合いが違う。
退職願
その名の通り、退職を願い出るための書類。
まだ願い出ている段階なので会社から慰留される可能性もあるし、承認される前であれば本人も取り消すことが可能となる。

退職届
こちらはもう退職を決めた際に提出する書類となる。
基本的にはもう後戻りできない。「すんません、やっぱり退職を撤回して会社に残ります」と言っても会社は拒否できる。
早まってはいけない。揺るぎない覚悟を持って提出しよう。

辞表
会社の社長や役員、公務員が職を辞する際に提出する書類。
いわゆる一般的なサラリーマンは「辞表」という書類は使用しない。基本的に私のような平凡なサラリーマンには一生縁のない言葉である。

このように自分の立場や状況によって用意する書類が違ってくる。間違えないようにしよう。 


退職を申し出るときは希望日も伝えておいた方がいいだろう。

会社の規定にもよるが、だいたい1~2ヶ月くらい前に申し出るのが一般的となる。まれに3ヶ月前とかに設定している会社もあるので必ず事前に自身の会社の規定を確認しておこう。

引き継ぎや業務の都合もあるので必ずしも希望が通るとは限らない。実際は会社や上司と相談しながら決めていくことになるが良心的な会社であればある程度は配慮してくれるだろう。ブラックの場合はそうもいかないかもしれないので交渉が必要となる可能性もある。

特にすでに転職先が決まっている場合は気を付けよう。
1ヶ月後には新しい会社に転職する予定なのに今の会社の退職規定が2ヶ月前に言わないといけないとかだったらトラブルになってしまう。

2. 引き継ぎ準備

上司に退職の申し出をしたからといってすぐに社内に公表されるわけではない。
また、公表されるまでは自分から同僚にも言わない方が無難だろう。そのため、通常の業務を行いながら人知れず細々と引き継ぎの準備をしなければならない。
・業務の棚卸
・資料作成
・マニュアル作成
といったところだろうか。

3. 引き継ぎ

会社から退職することが公表されれば引き継ぐ人も決まっているだろう。もし決まっていなかったら上司に確認しよう。

後任を新たに採用する場合は退職するまでに入社して来るとは限らない。その場合は上司や同僚に引き継ぐことになる。多少なりとも業務の事は知っているだろうからまったく新しい人に教えるよりはスムーズに進むかもしれない。事前に用意した資料やマニュアルを駆使してもれなく引き継いでおこう。

立場や業務内容によっては引き継ぎが必要ない場合もある。その場合は、退職まで日々の業務を粛々と行っていればいいだろう。 

なお、このタイミングで複数の同僚から「なんで辞めるの?」とか「次の会社はもう決まってるの?」とか根掘り葉掘り聞かれることになる。

また、今までさほど仲良くしていなかった人からランチに誘われて質問攻めに遭うこともある。みんな心のどこかで転職したいと思っているのかもしれない。嫌じゃなかったら答えられる範囲で答えてあげよう。めんどくさかったら適当に答えておけばいい。

4. 取引先へのあいさつ回り

退職日が決まったら取引先へ連絡をしよう。
相手と自分の関係性にもよるが相手先へ出向くケースもあれば電話やメールで済ますこともある。
営業であれば後任を連れて取引先へ直接挨拶にいったほうがいいだろう。
事務職であればメールで済ますことがほとんどだろう。その場合は1回文面を考えて後は使いまわしでいい。

5. 有給消化

有給休暇が残っていたら積極的に消化しよう。
業務の合間に取得したり最後にまとめて取得したり人それぞれだろうが、業務の都合もあるので一応会社に相談したほうがいいかもしれない。

なお、有給休暇は基本的に会社に買い取ってもらうことができない。
会社と退職者の合意があれば買い取ってもらうことは可能となるが稀なケースだろう。使い切ってしまった方が得策となる。使い切れない場合はドンマイ。

6. 身辺整理

書類の整理など以外に時間がかかる。
保存しておくもの、破棄していいものを分けておこう。
また、会社に返却するもの、会社から受け取るものも確認しておくことを勧める。
下記、例をあげておく。会社によってはその他にもあるかもしれないので人事に確認しておこう。
【受け取るもの】
・離職票
・雇用保険被保険者証
・年金手帳
・源泉徴収票
 
【返却するもの】
・健康保険証
・社員章、名刺、IDカードなど
・定期券
・制服
・備品、携帯電話

7. 最終出勤日

晴れて最終出勤日、もう仕事しなくていいんじゃないっすかね。
・引き継ぎの最終確認
・身辺整理の最終確認
・持ち帰る荷物のまとめ
・同僚との長めのランチ
・挨拶回り

これで1日終わりそう。もう最後だしいいと思う。
翌日から有給消化もしくはすぐに新しい会社で勤務が始まるかもしれない。

新たな気分で翌日を迎えよう。

8. 最後に

「今までお世話になったから」とか「退職したら会社に迷惑が掛かる」とか思ってなかなか退職の申し出ができない人がいるかもしれない。
しかし、そんなことは一切気にする必要はない。むしろ気にしてはいけない。
もう退職することを決めたのであればいつかは言わなければいけないこと。心の中で「すんません」って思いつつ躊躇することなく早い段階で会社には伝えよう。
あとは会社がなんとかする。

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