事前に把握しておこう【退職後に必要な手続き】

近い将来、コロナウィルスの影響によって未曽有の大恐慌となり、倒産やリストラで職を失う人が溢れる可能性がある。
また、この時期でも諸々の理由により自ら退職する人もいるだろう。

会社都合により志半ばで退職することになってしまった場合でも、自己都合で退職した場合でも退職後に行わなければならない手続きが発生する。

次の仕事が決まっていないのであれば、このような手続きに時間を掛けている暇はない。すぐにでも手続きを終わらせて転職活動に取り掛かる必要がある。
そのためには、どこでどのような手続きが必要か事前に知っておいた方がいいだろう。

そんな訳で今回は「退職後に必要な手続き」について書いてみようと思う。

 

過去の記事「事前に把握しておこう【退職するまでの手順】」にも書いたが、退職する際に会社から受け取るものがある。
これらはどれも重要なものとなるので紛失しないように気を付けよう。

【退職の際に会社から受け取るもの】

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳
  • 源泉徴収票


これらを使用して退職後にやらなければならない手続きは大きく分けて下記3種類となる。

  1. 失業保険の申請
  2. 年金の切り替え
  3. 健康保険の切り替え

それぞれ詳しく見てみよう。

1. 失業保険の申請

1-1. 必要書類の準備
ハローワークに提出する書類があるので準備しよう。

【必要書類等】

  • 離職票
  • 雇用保険被保険者証
  • マイナンバーカード
  • 運転免許書などの写真付き身分証明書
  • 照明写真2枚(縦3cm x 横2.5cm)
  • 貯金通帳またはキャッシュカード
  • 印鑑


1-2. ハローワークでの手続き

必要書類等が準備できたらハローワークへ。

準備していた書類を提出し、失業保険の受給要件を満たしていることを確認した上で受給資格の決定をしてもらおう。

また、ここでは退職理由についての確認もある。
本当は会社都合なのに自己都合にされているケースもあり得る。
その場合は正直にハローワークに相談しよう。事実関係を確認した上で退職理由を判定してくれる。もしかしたら会社都合に変更してもらえるかもしれない。

※会社都合と自己都合では失業保険の受給に大きく差が出る。

 

会社都合

自己都合

失業保険受給開始日

7日後

3カ月と7日後

失業保険受給日数

90日~330日

90日~150日

国民健康保険

軽減あり

通常納付

履歴書への記載

会社都合

一身上の都合

最後に「雇用保険受給者説明会」の日時を教えてもらいつつ「雇用保険受給資格者のしおり」を受け取ろう。


1-3. 雇用保険受給者説明会への参加
指定された日時に雇用保険受給者説明会が開催されるので参加する必要がある。
ここで「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取り、失業認定日が決まる。

【持参する物】

  • 1-2で受け取った雇用保険受給資格者のしおり
  • 筆記用具
  • 印鑑


1-4. 失業認定日にハローワークへ
雇用保険受給者説明会で決まった失業認定日にハローワークへ行って、1-3で受け取った失業認定申告書に必要事項を記入し、雇用保険受給資格者証と一緒に提出しよう。
基本的に4週間に一度、ハローワークへ行って手続きを行う必要がある。


なお、失業していれば誰でも失業保険を受給できるわけではない。
下記条件をクリアする必要がある。

  1. 離職日から遡って2年間に最低12ヶ月以上働いた期間あること。
    ただし、会社都合での退職の場合は離職日から遡って1年間に6ヶ月以上働いた期間があること。
  2. 求職活動を行い、再就職の意思があること。

※ここでの求職活動とは下記のような活動のことを指す。

  • 求人への応募。
  • ハローワークが行う職業相談や職業紹介、セミナー等を受ける。
  • 転職エージェントなどが行う職業相談や職業紹介、セミナー等を受ける。
  • 公的機関等が実施する職業相談やセミナー等を受ける。
  • 再就職に資する各種国家試験、検定等の資格試験の受験。


次のようなケースでは失業と見なされないため失業保険は受け取れなくなるので気を付けよう。

  • すでに次の転職先が決まっている。
  • 起業するための準備中。
  • 求職活動は行わず、しばらくは休養する。


また、先にも書いたが自己都合と会社都合では失業保険の受給期間が異なる。
下記表を参考にして自身が何日間受給可能か把握しておこう。

自己都合退職(全年齢同一となる)

被保険者期間

10年未満

10年以上
20年未満

20年以上

受給日数

90日

120日

150日


会社都合退職

被保険者期間
年齢 

1年未満

1年以上
5年未満

5年以上
10年未満

10年以上
20年未満

20年以上

30歳未満

90日

90日

120日

180日

30歳~34歳

90日

120日

180日

210日

240日

35歳~44歳

90日

150日

180日

240日

270日

45歳~59歳

90日

180日

240日

270日

330日

60歳~64歳

90日

150日

180日

210日

240日

会社都合であれば最大330日間受給可能となるが、余裕だと思っているとあっという間に過ぎてしまう。
40代ともなれば1年では転職先が決まらないなんてことは普通にある。可能な限り早めに動いて早めに次の仕事を見つけるように最大限の努力をしよう。

2. 年金の切り替え

厚生年金に加入していた人であれば、退職日から14日以内に国民年金への切り替え手続きを行う必要がある。

下記書類等を持って住民登録している自治体の国民年金担当窓口へ行こう。

  • 年金手帳
  • 離職票または退職証明書など
  • 運転免許証などの身分証明書
  • 印鑑


なお、国民年金の支払い方法は下記3種類のいずれかとなる。

  1. 納付書
  2. 口座振替
  3. クレジットカード払い

口座振替やクレジットカードでの支払いを選択するのであれば予め通帳や印鑑、クレジットカードなどを持って行けば手続きもスムーズに行えるだろう。

3. 健康保険の切り替え

退職すると今までの勤務先で加入していた健康保険の被保険者資格を失うことになる。
次の仕事が決まっていなかったり、次の職場への入社まで期間が空くようであれば健康保険の切り替えを行う必要がある。
切り替えを行わずにいると病気やけがをしたときに健康保険が適用されず全額負担となってしまうので気を付けよう。

切り替える際は下記3種類から選ぶことになる。

  1. それまで加入していた健康保険の任意継続
    退職の翌日から20日以内に手続きを行えば最大2年間継続して加入することが出来る。
    しかし、保険料が最大で今までの約2倍になることもあるので今までに比べれば金銭的な負担が大きいが上限があるので国民健康保険より安く済むこともある。
    下記、必要書類等を持って健康保険組合または社会保険事務所で手続きを行おう。

    【必要書類等】
    ・健康保険任意継続被保険者資格取得申請書
    ・身分証明書
    ・印鑑

  2. 国民健康保険
    退職の翌日から14日以内に手続きを行う必要がある
    下記、必要書類等を持って自治体の役所にある国民健康保険担当窓口で手続きを行おう。
    なお、納める保険料は自治体によって異なるので必要であれば事前に確認しておくこともできる。

    【必要書類等】
    ・健康保険被保険者資格喪失証明書
    ・身分証明書(マイナンバーカード含む)
    ・印鑑
    ・キャッシュカード
    ・貯金通帳・銀行届出印
    ・その他、自治体で定められた書類等

  3. 家族の扶養になる。
    家族が勤務先の健康保険に加入していればその扶養に入ることもできるが諸々の条件があり現実的には厳しいだろう。
    各健康保険組合などにより条件が異なるので、念のため退職する前に家族に加入要件を確認してもらってみてもいいかもしれない。

健康保険を切り替える際は、今まで加入していた健康保険の任意継続と国民健康保険のどちらの保険を選ぶべきか必ず確認しよう。
自身のこれまでの収入によっては毎月の支払額が結構違うこともある。
知らずに保険料の高い方を選んでしまっていてはもったいない。

 

以上、退職後に必要な手続きを簡単にまとめてみた。

年金や健康保険など期限のある手続きもあるので必ず期限内に手続きを済ませよう。後々めんどくさいことになる。

次の仕事が決まっていればこのような手続きは不要となるが、決まっていないのであればこれらの手続きは早めに終わらせて早々に転職活動に専念しよう。

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