ブラック企業体験記

何かとネットを賑わすブラック企業。
幸薄い私も漏れなくそんなブラック企業に就業したことがある。

某外食企業や某引越業者、某広告代理店のようなガチのブラック企業からすればまだまだアマちゃんレベルかもしれないが目立たない地味なブラック企業もある
今回はその企業で体験したブラックぶりを記事にしてみようと思う
 
その前にちょっとした会社情報を。
企業形態:外資系とだけ
売上高:業界TOP3に入るくらい
従業員数:非公開とする
取扱商材:非公開とする
資本金:非公開とする
所在地:東京都
雇用形態:正社員
具体的に書いちゃうと分かる人には分かるので勘弁して下さい。
 
それでは行ってみよう。
 

①正社員になったとたんに基本給の大幅減額

内定が出た数日後、会社より雇用契約書が送られてきた。
そこには下記のように記載があった。
・試用期間の6ヶ月間は契約社員
・その間の月額基本給は40万円
・残業手当なし
・賞与なし
また、注意書きとして「試用期間終了後、正式に正社員となれば基本給は変動する」とも。
一語一句合っているわけではないがこんな内容だった記憶。
諸々突っ込みたい箇所はあった。
しかし、試用期間中の契約社員でも基本給40万円、正社員になればどのくらいになるのだろうと期待しかなかったこともあり喜んでサインしたことは今でもなんとなく覚えている。
 
入社後順調に業務をこなし、6ヶ月間の試用期間が終わる直前になって正社員登用するに当たり上司と面談する機会があった。
そこで正社員としての新たな雇用契約書を渡されたがその内容に唖然とした。
・基本給が27.5万円/月
・賞与は年2ヶ月分
・残業代は別途支給
「なにかの間違いじゃないですか?」
契約書を見た私が最初に発した言葉がこれだった。
基本給が40万円から27.5万円への大幅ダウン。
確かに最初の雇用契約書の通り正社員になるにあたり基本給は変動した。
変動したがそうじゃない。
そんじゃないんだよ!
普通、契約社員から正社員になれば基本給は上がるもんだろう。
そう叫びたくなった。
会社の言い分としては
契約社員では残業代や賞与がないため経済的に不安定になりがちなので基本給は高めに設定している。」
さらに
正社員になれば賞与も残業代も支払われるようになるから基本給は下がります。」
とのこと。
意味がわからない。
残業ありきで給与を決めるな。
と言うかそういう事は先に言え。
後日、人事を交えて話し合う機会を設けてもらったが結局変わるはずもなく、この条件を飲むしかない状況となったのは言うまでもない。
社内の先輩に聞いたところ、みんな同じだったもよう。
昔からの伝統芸だったようだ。
 

②勤務時間がなんかおかしい

私がいた職場は3交代のシフト制だった。
と言っても夜勤があるわけではなく早番、中番、遅番の3パターン。
早番:8:00〜
中番:9:00〜
遅番:10:00〜
こんな感じ。
しかし早番は会社が開く7:30には出社していることが暗黙の了解となっていた。
そして中番は9:00からにも関わらず誰かが早番と同じ7:30に出社し始めたことをきっかけに半ば強制的に7:30出社となっていた。
ふざけんな。
遅番に関しては10:00出社で問題なかった。
一部の社員は。
上司はなぜか私を含めた数人の社員には遅番でも8:00に来いとか意味不明なことを言ってくることがあった。
なぜ一部の社員だけなのか。
なぜ遅番なのに8:00出社なのか。

こいつバカじゃね?とか思いながらも口に出すわけにもいかず、イヤイヤながらも言われた通りに出社していた記憶がある。
 

③残業時間がなんかおかしい

 
この会社では残業するにはその都度上司に申請して許可を貰わないといけない決まりがあった。
締め切り時間があって1分でも過ぎればアウトとなり残業をしても認められない。
申請する時間もないほど忙しく、申請を忘れていても容赦なかった。

申請していた場合は時間を過ぎると強制的に帰らされるが、申請を忘れたときは無制限で残業OKとなる。
OKと言うか「残業が付かないからいくら残業してもいいよ」と言う上司の優しい気遣いだろう。
できた上司だ。

許可されて1時間残業してもタイムカードを見てみると30分しか残業したことになっていないとか普通にあった。
タイムカードが改ざんされていたのだ。
このようなケースは稀によくあり決して珍しくなかった。
 
また、チームとしての業務が落ち着くと残業調整で早く帰らされることもしばしば。
これだけを聞くといい事かもしれないが、個人の業務が残っていても帰らされる。
イヤ、正しくはタイムカードを押させられる。
そしてその後に個人業務をやるなら別室でやれと言われる。

ついでだが、先に書いた早出残業は付くわけもなく出勤時間は定時になっていたことは言うまでもない。
そんなこんなで月の残業時間は大体20時間前後に抑えられていたが実際は過労死ラインくらいだったのではないか。
 

④ちょっとしたことでクビになる

1. 育休を取得した男性スタッフ

当時まだ珍しかった男性の育児休暇。
取得した後に職場には復帰したがしばらくしたらいなくなっていた
詳細は不明だが、どうやら育児休暇を取得したことが原因でクビになったもよう。
もちろん法律で認められた権利なので本来ならば取得することはまったくもって問題ない。
そんな理由でクビにすることなどできない。

しかし、あの会社のことだから難癖つけて辞めさせたのだろう。
あの会社ならやりかねん。
因みに裁判になったもよう。
結末は知らん。
 

2. 上司と仲が悪かったスタッフ

私の前任者のため直接は知らないが、かなり上司と仲が悪かったスタッフがいたらしい。
上司もなんとかクビにしたかったようだが適当な理由が見つからない。
そこで思い付いたのが「会社の携帯を私的に利用したから」と言うとてつもなくセコイ理由だったようだ。
それを理由に会社をクビにする。
あっていいのだろうか。
それよりもそんな理由でクビにできるのだろうか。
 

3. 面談にて言いたいことを言い切ったスタッフ

部長&次長 対 スタッフにて面談が行われた。
この面談の趣旨は「現場の率直な声を聞きたいから現状思っていることや不満があれば正直に話して欲しい」というもの。

そこで馬鹿正直に現状の不満をすべて洗いざらいぶちまけたところ部長が激怒。
「そこまで不満があるなら辞めていいよ、むしろ辞めろ」ということになりクビに。

まだ若いスタッフだったがもったいない。
貴重な若手だったのに。

「正直に言え」って言ったから話したのにそれでクビっておかしいでしょ。
部長なんていい大人なのに恥ずかしい。
ホントのこと言われたからって怒るなよ。

 

⑤パワハラによる鬱病

ブラック企業の基本だろう。パワハラにより鬱病が発症したスタッフがいた。
けっこう仲良かったが直前まで全然気付かなかった。

本人も周りに対して気を使って隠していたんだろうが突然出社しなくなった。
半年間の休職後、復帰の見込みがないため職場を去ることになった。

会社の携帯しか連絡先を知らなかったため話をすることが出来なかったのが残念。
今頃どうしているのか気になるところだ。

しかしパワハラした方はぜんぜん悪気もないし反省もしていない。
会社も注意するわけでもなく放置。
これじゃパワハラはなくならないよな。
そう思った。

 

 

以上、私が勤務していた会社でのブラック企業体験記をまとめてみた。
働いているときは「けっこうブラックだよなー」なんて思っていたが、こうして文字にすると意外とたいしたことないような気がする。

いや、けっこうブラックだったんだよ。
マジで。

 

しかし世の中にはブラック企業は数えきれないほど存在するだろう。
連日ブラック企業のニュースが流れると心が痛む。

それら企業の諸悪の根源が滅亡することを願うしかない。

 

無理だろうけど。

最新情報をチェックしよう!